雑誌の紹介

Ministry 1-3号


以前、キリスト教雑誌を取っていた。しかし、あまりに内容がないので、

というよりは、自分の聖書理解とかけ離れているので、購入することを

やめていた。しかし、最近出たMinistryはあちこちで

評判が高いので、読み始めてみた。非常に面白い。

 何が面白いか。この雑誌が、従来型キリスト教メディアの特徴である

①内部者の視点から内部者に向かって語るスタイル または、②内部者の

視点から外部者に向かって語るスタイル(伝道図書)であることをやめ、

③外部者の目から内部者(牧師や教会)に向かって語る視線を持ってい

ること、基本的な知識を分かりやすく提示するところがこの雑誌の最大の

特徴である。

 そして、キリスト教会内部に潜む問題をとらえ、その問題解決を信仰だ

けでの解決や神学的な解決だけでなく、実際的な解決を目指すための、

糸口の提供を目指そうとするところにこの雑誌の面白さがある。

 特に、30代以下の若い信者向けに、日本の近代史と天皇制の問題を、

漫画でわかりやすくポイントを突いて示している連載や、完全に外部者で

ある八木沢さんという研究者が、教会で出会った戸惑いについてポイント

をついて述べているなど、非常に面白い視点がある。

 かなり、自由主義的な神学の影響下にある教会の人々が編集会議に

携わっているようであるが、現在のキリスト教の危機感が随所に現れた

雑誌となっている。発行回数を重ねるごとに内容がよくなっているので、

とりわけ、3号がお勧めである。

 ★3つ中★3つである。ただし、値段が高いのがちょっと残念。

キリスト教とその伝道方法に潜む潜在意識を考えるための本

最近、ある方からこの本をいただいた。


ハンセン病とキリスト教
岩波書店
荒井 英子

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この本を読む中で、ある事に気付いた。キリスト教、特に

福音派と呼ばれるキリスト教の中に内在する、人を救い

に導くということの中に含まれる意識の問題(メサイア・

コンプレックスの可能性)である。

 それが極端に出たのが、ハンセン病者とかかわって

いったキリスト者の中に見出せる。また、無教会派の

ハンセン氏病のかかわりと、その意味を改めて考え

たりしている。

 ひょんなところで、関根 正雄さんの名前が出てきて

びっくり。ハンセン病者とのかかわりがあったということは、

非常に興味深かった。特に、ハンセン病者と無教会派が

かなり密接につながっていることを考えたときに、ある程

度行動の自由度が保障されたがゆえに、可能だったの

かもしれない、という印象を持った。

 このハンセン氏病者と社会とのかかわりを通して、

日本社会におけるキリスト教、天皇制、戦争とのかかわ

りに関する豊かな資料と示唆と視点を与えてくれる。

 ぜひ、一読をお勧めしたい。個人的には、★3つ中

★3つであるが、一般には、★3つ中★1.5程度かもし

れない。教会を考えたい、教会と社会とのかかわりを

考えたい人には、ある面、無縁かもしれないが、それ

はそれなりに味わうことができると思う。

聖書、アリストテレス、奴隷制、キリスト教


異相のヨーロッパ―一神教と支配意識の構造
マルジュ社
海原 峻

ユーザレビュー:
アリストテレスの奴隷 ...
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かなり、左がかったフランスの政治学研究者が考えたギリシア哲学、

キリスト教と奴隷制の問題とヨーロッパの思想にもぐりこんで、暗黙の

うちに仮定されている哲学的な思考やキリスト教的な思考の問題に

潜む問題の断片を示したエッセー集です。

 この本は、断片を示してはくれますが、総合して、このようなものだ、

ということは言わないタイプの本なので、奥歯に物が詰まったような話

しを聞いている印象を受けます。しかしこの本が示している重要な部分

は、ヨーロッパ史およびヨーロッパ人、その後継者であると思い込んで

いるアメリカ人の中に含まれる野蛮や未開の思想と、奴隷制の問題を

考える糸口が示されている点です。たとえば、アリストテレスの政治学

を日本語の翻訳本で読むと、全訳ではなくて、部分訳になっており、

ヨーロッパでの思想やヨーロッパ人の生き方に影響を与えた、今もなお

影響し続けているはずの奴隷や奴隷と社会との関係の部分が抜けて

いるようなので、偏ったギリシア哲学の理解・理想化されたギリシア

哲学ということが構成されている可能性を示しています。

 また、このアリストテレスの考え方が、ギリシア世界人であったアウ

グスティヌスの思想やギリシア哲学の影響を受けつつ神学を体系化し

ていこうとしたトマス・アキィナスへの影響なども示唆していますが、

それを体系づけられて説明されていないところが、この本の欠点です。

ただ、この種の批判的視点を持って物事を考えられるかどうかは、

極めて重要なので、個人的には非常に参考になりました。

 個人的には、★3つ中★2ですが、普通の人には、わけわからない

話しの羅列になる可能性があるため、★3つ中★0.5でしょう。

ある人の人生に働く神

ある人の人生に働く神

ありのままを生きる
いのちのことば社
東後勝明

ユーザレビュー:
心の底から神に出会う ...
英語ひとすじの道の先 ...
東後先生、ありがとう ...
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この本の著者の東後勝明さんは、私が中学自分に愛聴していた基礎英語、

続基礎英語のラジオ講師の先生である。その東後さんが、人生の絶頂期

ともいうべき50代で、人生の絶不調の中に落ち込む中で、聖書にふれ、

神とであい、その人の人生を変えていった姿を示した本である。素直で正

直に書かれているところが、大変に良い。

 人生を振り返る中で、時折、時に応じて、神や聖書とのかかわりがあり、

そうであったけれども、神と人格的体験を持つに至らなかったものの、

ある不幸な出来事、家族の病気や問題、本人の病気などを通して、神と

であい、神と共に生きることを決意するその姿が、正直に書かれている。

読んでいて、すがすがしい。

 苦しみに出会われたことは、不幸でしかないが、その不幸を通して

語りかける神の姿、を素直に文章にしておられるのがすがすがしく

思った。

 中学生時代の英語の先生(時間にしたら、学校の先生より長く付き合

ったと思う)というだけで、親近感がわく方がどのように神と出会ったのか

ということも、面白かった。この本を読んで、病院伝道することの意味が

何となくわかった。

 ★三つ中、個人的には、★三つだが、東後さんと関係のない人にとっ

ては、★2つ程度だとは思う。

最近読んだ本で、これは今一つだった

勝本正實 著 日本人はなぜキリスト教を避けるのか? いのちのことば社


日本人はなぜキリスト教を避けるのか?
いのちのことば社
勝本正實

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この本を、教会のある信者さんが紹介していたので

をよんだが、うーん。これ、かなり厳しい本であった。

仏教学を学んだ著者が、キリスト教と仏教の差異点、

とくに鎌倉期の仏教との類似性のある点についてま

とめてあったが、そのような思想や仏教各宗派が生

まれた背景などとは無関係に全体にばらばらと書か

れていて、伝道のために役に立つのか、といわれる

と、役に立つようでもあり、バックに知識がなく、この

本だけ読んだだけ福音を仏教徒に訳知り顔に語る

信者がいると思うと、危険かなぁ、と思う。

 入門書というよりは、随想書であり、最後に日本

人の信仰理解に関する概念整理をするのに有効と

思われる文献もある程度はあげてあるが、

基本的に入門書レベルのものが多く、著者が大学

院で学んだという仏教学の深い内容が反映された

ものとはなっていないように思う。

 特に、民俗学との連携を深めつつある、その理解

の問題が指摘されているものの、近年の日本史学

関連の資料がまったくなく、また、比較宗教学関連

文献のめくばりもない。断片的な知識だけが残る

感じがある。

 見開き両面で読みやすくはあるが、その分、深み

というのか体系的な理解は与えてくれる本ではなか

った。

 あまり、詳しくならず日本人の生き方と宗教観を

知りたい方には、いいかもしれないが、この本を手

掛かりにして、さまざまな日本の諸宗教の関連文

献などを含めて読んだほうがよい。

 一般向けには★3つ中 ★一つ
 個人的には、買わないほうがよかったかも。